幻の雲 山ビコは返って来ない ヒマラヤを目の前に僕は唄う
水に浮かぶゴミの上 カラスが遊ぶ ガンジスの川せ僕は唄う
今にも倒れそうなピサの斜塔 人々に囲まれ僕は唄う
 
あらゆるところで唄を唄った 音楽は国境を越えた

言葉の違いは関係ない ただガムシャラに日本語を発するのみ
国境も壁も何もない 声は風となって空を駆ける


3泊4日の列車大移動 3000キロはカルカッタからボンベイ 赤い大地
見せつけられた拳銃とポケットのナイフ 信頼・金・友情に激怒の叫び
初めての海外旅行は2年前 世界を一周し訪れたシェーバーとの再会

少年の頃の視野は 近所にある公園一周だった

まったくの無知のまま ただ世界地図を一枚持って
ただギターを一本背負って ただ希望を抱いて


月明かりの下で一人リズムに酔う おじいちゃんを見たジャマイカの夜
若者が集う地下バーで 友達という言葉を教えられたロンドンでのこと
小道にトラックが止まり草陰から人が集まる ほのぼのとしたキューバの日常

西へ向かった僕は 東の国から帰ってきた

西から東へと長い長い道のり その距離には限界がある
地球は丸いからだ そいつを確かめるために旅をした

そしてまだ 旅は始まったばかりだ